平和は市民の力で創るもの!

8月15日「非戦の憲法を活かす集会」に参加して

 敗戦の日の8月15日、「非戦集会」に参加しました。
集会のメイン、前駐レバノン大使の講演は、示唆に富んだ内容でした。「アメリカのイラク戦争開始前、大使の責任として国連決議なしのイラク攻撃は阻止すべきとの意見具申を首相に直訴した。また戦争開始後は、一日も早く戦争を終わらせるべく国連による国際合意を実現すること。アメリカを支持する日本の立場は世界に知れわたっており、それを繰り返し明言することは日本のメリットにならず、中東外交を傷つける。など小泉首相に意見具申したが、ついに勇退に追い込まれた。アメリカの軍事戦略は日本に軍備体制を要求している。そのために憲法を変える必要が生じている。アメリカ一辺倒の態度では公正な外交は出来ない。平和憲法を変えては日本の誇れるものがなくなる。唯一の被爆国として、本気で世界に平和憲法を訴えるべき」と言う趣旨のものでした。
アメリカのイラク戦争の真の目的は“石油の独占”と“イスラエルの安全保障”という指摘や中東の歴史・現状を聞けば聞くほど、国際社会の強い反対のなかで米英軍により強行されたイラク戦争の不当性に新たな憤りを感じます。小泉首相は、いち早く戦争を支持しその後も、“日米同盟”と“国際協調”との理由で対米追従姿勢を強化しています。そして集団的自衛権を行使できる憲法にかえると公言しています。一方では15日の政府主催の「全国戦没者追悼式」で“不戦の誓いの堅持”と表明しましたがその真意は図りかねます。
“不戦”“国際協調”の意味をどう捉えているのでしょうか。“不戦を誓う”のなら9条を変える必要はないはず。“国際協調”はアメリカ一辺倒ではないはず。アジアの一員としてアジア諸国との友好と信頼作りに努力をすることも大きい課題のはずです。
国会の中で憲法、しかも9条を変える動きがこれまでになく大きくなっています。しかし世論調査では国民の6割が、9条は変えるべきでないとの意志を示しています。国民と国会の意思の乖離は明らかです。
生活者ネットワークは、この間、憲法の学習会を重ねて来ました。その中で私が学んだことは「憲法を市民自治の視点で見ること、その理論、解釈も専門家だけに任せるのでなく市民によって展開すること」「憲法を変える、変えないは市民が決めることで、国会任せにしないこと」「5兆円規模の世界有数の軍事組織である自衛隊のあり方、改編、縮小、任務の限定なども含め市民議論を進めること」等でした。
私は、戦争によって家族がばらばらになり、深い悲しみと痛みを引きずりながら生きている人を知っています。59年間曲がりなりにも日本が武力で人を殺さなかったのは、9条が歯止めになっていると確信しています。だから「9条だけは変えてはいけない」と心新たにした敗戦記念日でした。
(市議会議員・渡辺かつ子)