対立から対話への模索 −修復的対話の実践に学ぶー

2008年12月16日 01時29分 | カテゴリー: トピックス

「子どもの権利条例の制定について」の一般質問に関連して

12月議会で一般質問した「子どもの権利制定」について、教育長と質疑をするなかで、、先月参加した公開講座「対立から対話への模索 アメリカの学校における修復的対話の実践にまなぶ「修復的対話」のことを思い出しました。日本社会事業大学社会福祉学部の山下教授は、日本のいじめ問題の深刻な現状を考慮し、修復的司法の考え方を学ぶことを思い立ったそうです。これは、子どもたちが直面している問題に関する対応について、おおきな潮流となっている厳格な対応とは反する概念と方法論です。

修復的司法とは、刑事司法制度の分野で1970年代後半ころから展開されてきた概念です。修復的司法においては、ひとの行為の過ちを罰することではなく、物事をあるべき状態にするという考えがあり、損なわれた関係を修復することが目的としてあります。
修復的司法は、誰が何をしたかということではなく、過ちに対する被害者を中心におき、問題解決をめぐって、関係者全員が参加し、サークルという方法で行われます。
このサークルにおいては、「相手の話をよく聞く」「相手の承認—非難しない」「話さない権利がある」「お互いに対する敬意」「秘密の保持」を合意事項として「誰が影響をうけたか」「あなたはどう影響されたか」「その中であなたの役割は何だったのか」「問題を解決するためにはどういうことが必要だと思うか?」「生じた損害を修復するため、問題を解決するため、どのようなことをしたいか?」など意見を言い合い、、解決するために協力しお互いに取り組みます。自分の行動に対して、評価し、責任を持ち始め、子どもたちは権威に脅かされていないと感じれば、正しい選択ができるとも報告されました。
アメリカでも伝統的な生徒指導に対してこの修復的なシステムを教師たちが受け入れるという思考のシフトが一番大変だったとのことです。

修復的対話を行う上で重要視されるのが、参加者相互に対する敬意であり、平等性です。お互いを非難したり、攻撃することは禁じられています。市場主義の波が教育にも及ぶ現状は否定できません。競い合い、避難したり排斥したりすることが当たり前になっている現代社会では、対立の構造を乗り越えて、すべてが尊重される調和的考え方や方法を身につけていかなくてはなりません。

修復的対話に期待したい思いがしたのには、子どもの権利の尊重が根底に感じられたから。日本の学校の中にも取り入れる価値があると思う。

板垣洋子