学力調査結果の公表

ぬぐえない点数偏重への懸念

 2004年7月20日付け「西東京の教育」の一面は今年2月に行われた、都内全中学校2年生を対象にした学力調査の結果が掲載されています。
市内9中学校の正答率の一覧表を見ると、学校ごとの比較をしてしまいがちです。
今回の公表は、一人一人の子どもの立場に立った判断なのか疑問に感じます。
聞くところによると、6月に東京都内中学校長会が「児童・生徒の学力向上を図るための調査結果の公表についての見解」を都と区市の教育委員会に提出したとのこと。その内容は、「解答用紙の本人返却の必要性」「自治体、学校ごとの正答率の公表は避けること」等です。
私は、市教委の公表前、6月15日、市の担当に以下の点を問いました。
①現場の声である校長会の見解をどう受け止めているか。②学校ごとの平均点の公表は自治体の判断に委ねられているのに、なぜ本市は公表したか。③点数という一つの評価を学校ごとに並べることは、偏重は得点主義におちいらないか。などなど・・・・。
それに対し一通りの説明はありましたが、どれも納得いくものではありませんでした。
私が、最も危惧するのは、多様な子どもの居場所であるべき、地域の公立学校が、点数と言う一つの評価や価値に縛られ、点数の取れない子ども、障がいを持つ子どもの居心地が悪くならないかと言うことです。
学力調査そのものも是非が分かれる中で、結果は本人と学校に返せば、良いことで、一般公表は、慎重にすべきです。
点数の序列化は、特色ある学校づくりの阻害要因になるばかりでなく、子どもや教師が不当な点数競争に駆り立てられないか心配です。
来年1月は新たに小学校5年生も対象に加えた調査が予定されています。
結果の一般公表は子どもにとってどんな意味や影響があるのか、再度問う必要があるのではないでしょうか?
(市議会議員・渡辺かつ子)