一つも減らせないみどり 東大農場を循環型農業のモデルに!

 先日(2005年4月23日)“東大農場の緑を残す市民の会”主催の特別講演会「現代の農業の課題と東大農場」に参加しました。
講師は小松光一氏(法政大学講師)。お話の内容は、「世界の4大文明(黄河、メソポタミア、エジプト、インダス)は、かつては緑と水が豊かだった。人が緑をなくした結果、雨が降らなくなり砂漠と化したが、緑地や農地が減少し続ける西東京市の将来と重なる。雨は地域の中で循環しているので、西東京エリアの緑の範囲内でしか降らない。相続税で農地が減少する中で、農業者と市民が協力して農地を耕すしくみが急がれる。市民が経営する農園作りを東大農場につなげられないだろうか」というものでした。
市民が農地を耕す先進事例は、町田市で“NPO法人たがやす”や 練馬区の“風の学校”などがあります。西東京市も今年度から、農業者が市民に農業技術を指導する、“体験農園”の事業を開始しました。2軒の農家の体験農園に参加希望者は約60人とのことで、農地を耕したい市民の多いことがわかりました。
現在、“市民の会”では、東大との協働事業の具体的な提案を行い、実現の方向で話が進んでいると聞きます。
H16年3月策定の「西東京市農業振興プラン」は、“市民と進める農地保全”が位置づけられています。行政は東大農場の農地も同様な位置づけで、市民と東大との協働事業の支援を強力に行なってほしいものです。
市民が耕し、その農地に、給食の残菜や家庭からの生ごみを堆肥化したものを入れ、その農作物を給食で子どもたちが食べる、市民が食べる。堆肥による生育状況や味等の研究を行いながら、循環型農業のモデルを東大農場と市民が協働で作り出せたらと希望が湧いてきます。
生活者ネットワークは、コンクリートのまち東京を冷やす為、緑のネットワークづくり、水循環のあるまち、省エネの企業活動や生活スタイル、自然エネルギーの活用を提案しています。地球温暖化防止京都議定書を実現するには、西東京市のみどり、とりわけ東大農場の貴重な緑地空間は一つも減らせないと再認識した一日でした。