災害につよいまちをつくる

高齢者、子ども、障がい者、外国人の視点で

わたしは、西東京ボランティア市民活動センターの防災時のシステムづくり専門委員会の委員をしています。
減災(災害を減らすための活動について)を日常的に考えるために、今年度は、講演会の開催、防災の視点でのまち歩きなどをすすめています。
4月には、地域でのまち歩きのためのファシリテーター養成も兼ねた「まち歩きワークショップ」に参加し、防災時のまちをイメージしながら、まちを歩きました。
たずねたのは、防火水槽、備蓄倉庫、避難場所のほか、ガソリンスタンド、重機がそろっている自動車整備工場、子どもが避難中に遊べそうな幼稚園、水のあるプール、地域の案内板、病院、自販機、コンビニ、スーパー(災害時にはこれらの店舗は開店したまま、販売を行なうことになっているそうです)など。
驚いたことに、今回歩いた地域には、災害時に必要な公衆電話は1箇所だけ、公衆トイレは1箇所もなく、課題があることにも気づきました。
まちの防災・減災資源、危険箇所を確認し、ワークショップ参加者で、「災害マップ」を作成し、日頃から次のようなことに関心を向けていくことが必要だと、参加者で共有しあいました。
・ 災害に役立つ施設、災害弱者になりやすい人たちがいる場所(外国人のアパート、高齢者の集まるデイサービス、幼児施設など)を知る
・ 道路に面した塀が生垣かブロック塀か、電柱に載っているトランスの場所、路地・幹線道路の状況などを知る
・ 消火栓、防火水槽、消火器、自販機、公衆電話、掲示板、公衆トイレ、重機(倒れたものの撤去に必要)がどこにあるかを知る
・ いろんな立場の人と立場を共有しあい、いざという時にたすけあえる関係を築いておく。人のネットワークは、壊れることのないライフライン(まち歩きに参加した人どおしで連帯感を味わいました)
・ 災害時に自分たちのまちは自分たちで守る意識をもつ
このようなワークショップは、市民自らが、まちの弱点を発見し、災害に強いまちづくりをすすめていくためにも有効だと思います。
生活者ネットワークは、常にさまざまなテーマでまち歩きを実施しています。そして、「当事者に聞け」を合言葉に、調査し政策立案を行なっています。
その後、西東京ボランティア市民活動センターが呼びかけ、同様のワークショップが小学校区で3箇所実現しました。「災害は防げないけれど、対策を講じ、被害を減らすことはできる」
これが、ワークショップに参加した私の実感です。
次年度、西東京市の防災計画が見直されます。
普段とは全く違う災害に対する計画は、いつもよりもなお一層、高齢者、子ども、障がいのある人への配慮を最優先に、わかりやすい防災計画を!
わたしは、ひとにやさしいまちづくりをすすめます!

(板垣洋子)

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