特別職等の報酬値上げについて

特別職等の報酬値上げについて その後

 市民の関心が高かった報酬値上げについて、値上げの見直しを求める趣旨の陳情が4件提出されました。
3月11日の企画総務委員会では、報酬に関する審議が12月に既に行われていたため、書面審査となり、賛成少数で否決されました。その後、28日の本会議でも賛成少数で陳情は否決されてしまいました。
私は本会議で、生活者ネットワークを代表して、値上げ見直しに賛成の討論を以下の通り行ないました。討論全文
陳情第8号 西東京市特別職の給与及び報酬条例の見直しを求める陳情に、生活者ネットワークを代表して、賛成の立場で討論いたします。
先の12月議会で、生活者ネットワークは「西東京市市議会の議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例」に反対し、特別職の報酬の値上げについては、現在の社会情勢からも、西東京の財政状況を見ても、市民理解を得られるとは思えない。今がどうみても、値上げの時期ではないと強く申し上げて、反対討論しております。
西東京市の報酬値上げの件については、テレビや新聞で取り上げられ、西東京市民のみならず広く全国的に伝わり、西東京市への良くない印象が広がり残念なことです。しかし、多くの市民が議会の判断に不信感を抱き、怒りも表面化していることは紛れもない事実です。決して生活は豊になっているとは感じることのできない経済状況、社会情勢、そのような中において議会や議員に求められているのは、何なのでしょうか?
市民の大切な税金が「安心して暮らせる市民社会のシステムの構築」のために優先して使われるよう市民の目線にたってすすめていくことではないでしょうか。
現状では、市民の大切な税金の使い方として、議員報酬を値上げすることが市民生活のメリットにつながるとは到底期待できないことを多くの市民が感じています。
そして残念ではありますが、議会が市民の意見を反映できる場となっておらず、議会と市民とが乖離していると思わざるを得ないという市民の皆様の率直な声もたくさん聞いております。
先日の朝日新聞の「政治・社会意識基本調査」では、「政治家への信用度」はワースト1で18%、「国の政治への信頼」は35%、「地方の政治への信頼」は49%、「自治体の税金の使い方はあまり有効でない」が61%、政治に一番大きな影響を与えているのは 信用度ワースト1の「政治家」と答えています。
この調査で、一般的にも政治家や議会への不信感が極めて強いことがわかりました。なぜこのように政治家や議会への信用・信頼度が低いのか、私は議員経験は1年ですが、議員として、十分に分析し、対応を考える必要があると思います。
今回の報酬値上げについても、市民の皆様の信頼をどう取り戻すかが問われています。
今後、議会としてできること、市長がやるべきことはいくつかあります。
まず、市長への提案です。
昨年12月議会で議決された「西東京市市議会の議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例」などにおける特別職の報酬値上げ条例の見直しを早期に行うことです。
値上げ条例への見直しを行うには手続き上「特別職報酬等審議会」への諮問が必要になります。平成20年度(2008年度)一般会計予算には特別職報酬等審議会の会議費が計上されています。平成20年(2008年)の早い時期に「特別職報酬等審議会」を設置すること。そして昨年度のような課題・問題を残さないよう、まず「審議会」の構成メンバーは「西東京市市民参加条例」にそって、一定の公募市民枠を設け、市民に広く知らせること。審議会の日程を市報やホームページなどで情報提供することなどの点に留意して進めることです。
一方議会ににおいても、生活者ネットワークは以前から「議員報酬や定数を定めるのに市民参加の検討委員会を設置し、市民議論の中で決めていくこと」を提案してきました。
議員の役割、それに見合う議員報酬とは、どれくらいが妥当か。どうすれば民意を反映した議会になるか。「民意」もただ多数の人に利するものではなく、多様な人弱い立場の人の意見が反映されてこそ本当の民主主義ではないか。そうであれば、どのような議会、議員が必要なのか。そもそも議会がなぜ必要なのかなどの市民議論が必要です。
従って、議会の中に「議員報酬や定数等も含めた議会の在り方検討委員会」を設置し、市民がみえるような議会改革を行うことが必要です。
以上のような提案を、早期に実行に移すことが急務と考えます。そうすることで市民の信頼を取り戻すことにもなります。
議員など特別職の報酬の値上げは、一度元に戻し、まず市民議論の中で決めていくことが、大勢の市民の意見であることから、陳情第8号は賛成いたします。
また同主旨の陳情には13、516人の賛同の署名と市民の多くの声が意見として添えられていました。それらの意見からは、市民の日々の生活が厳しくなっていること、そのような中での今回の値上げに対し疑問をもち、議会や議員に対する不信感や不満が多いことがうかがえました。
私は、市民の皆様の率直な思いが重なっていることを重く受け止めています。また9号14号も同主旨なので、賛成とします。
なお、陳情10号は、人件費を削減する内容の陳情ですが、地方自治法の解釈から、人件費の削減は法に抵触する恐れもあり、法制度上難しいとの理由から賛成できにくいことを申しあげておきます。(市議会議員・板垣洋子)