伊賀市と四日市市の議会改革 その1

議会運営委員会視察から

西東京市議会の議会運営委員会では、今年度5月に「議会の活性化に向けた取り組みについて」という提言が出されています。そして、地方分権の時代に求められる機能と役割を十分に果たし、市議会に対する市民の期待と要請に的確に応えることができるよう、市議会のあり方についての検討もすすめられています。先月11〜12日に、議会運営委員会の視察として、議会改革を行っている自治体、伊賀市と四日市市に行ってきました。
伊賀市には、「伊賀市自治基本条例」(2004年制定)、四日市市には「四日市市民自治基本条例」(2005年制定)という自治体の憲法と言われる条例があります。

伊賀市の憲法として位置づけた伊賀市自治基本条例の前文には、「自分たちの地域は自ら治めていこうという“補完性の原則”の考え方や“住民自治”の実現が重要視され、伊賀市にとって欠かせないものとなっています」と書かれています。第4章の「住民自治協議会」は、伊賀流の自治のしくみで、他の自治体の条例にない特長となっています。5章には「議会の役割と責務」が明文化してあり、議会の情報共有と市民参加、議会の責務、議員の責務などについて規定しています。そして、それを具体化した「議会基本条例」が2007年2月に制定されました。この条例に基づき、「開かれた議会・市民との情報共有」を実現すべき議会報告会が38地区でおこなわれています。

この「議会報告会」は、定例会後に住民自治協議会単位で開催され、議会の活動や予算などの審議状況などについて報告されます。報告会における司会、報告、記録などの役割は議員で、会派代表者会議で決めた5,6人の議員が1つの班を構成し対応します。報告会後は班の代表者が議長に文書による報告を提出し、HPにも掲載されます。また、重要な要望や提言などは議長においてとりまとめ、市長に報告します。

地方分権一括法が施行され地方公共団体の自己決定権が拡大したことに伴い、議会の役割が重要となりました。また、住民の代表である議会の意思と市民の意思が乖離しない努力が必要となっており、議会を構成する議員は、一部団体や地域の代表ではく、市民全体の代表であるとの自覚と市民意識の変革、さらに市民への情報提供、説明責任を積極的に推し進めていかなくてはいけないという基本的な考えがここにはあります。

生活者ネットワークでは、伊賀市の基本的な考え方は西東京市議会においても同様に認識されてしかるべきだと考えています。今回の視察で、伊賀市の議会基本条例や議会報告会のことについて共通に理解できることに期待をしました・・・・・が。「西東京市にはそぐわないことがわかったでしょう・・・」と、私へささやく声が聞こえました。
しかし、諦めません。伊賀市の議会基本条例は全国的にも注目されており、この日も西東京市含み4か所からの視察対応をされていました。このような議会改革の先進自治体の視察に、考え方の違う議員がともに参加したことに期待したい。
視察後の議会運営委員会での議論の行く先に注目(?)、期待(?)
(写真は松本零士デザイン、伊賀線の「くノー号」)

板垣洋子