安保関連法成立  切り捨てられた民意!この屈辱をバネに民主政治を市民の手で築こう!

919日未明、安保関連法案は参議院本会議で可決、成立した。

戦後70年間、平和国家として世界に不動の地位を保ってきた日本。この国のかたちを根底から変える重要な法案を、民意を無視し国民への納得のいく説明もないまま、拙速に数の力で強行した政府・与党に対し強い憤りをもって抗議し、海外で戦争ができる法律は受け入れられないことを表明する。

そして、何よりも許しがたいのは、立憲主義を踏みにじったことだ。憲法違反の法律をつくり、「時の政府が判断する」と言ってはばからない安倍総理は、国家権力の暴走に歯止めをかける憲法の意味を理解していないというほかない。それは、近代以降の民主主義に対する挑戦である。 

西東京・生活者ネットワークは、昨年の集団的自衛権行使の閣議決定前より、集団的自衛権行使容認は憲法違反であり、NGOなどの在外邦人などのリスクを高めるだけだと訴えてきた。安保法案の閣議決定後は、法案のあいまいさや危険性を指摘し、廃案にすべきと訴えてきた。

実際、参議院での特別委員会では、立法の必要性として安倍首相が挙げていたホルムズ海峡の機雷掃海や、邦人を載せた米艦保護に関する質疑での答弁は二転三転し、政府自ら根拠がないことを認めたことから、もはや廃案しかないはずだった。

また、採決は、衆議院に続き、参議院でも強行され、直前に5党で合意された付帯決議の説明もなく、総括締めくくり質疑もなく、議事録に議事が残らない状態での異常事態であった。特に、地方公聴会の報告もなしに行った採決は無効だとも言われている。 

私たちはこれまで地域での街頭宣伝やチラシ配布、国会でのロビー活動、そして国会包囲デモに連日参加してきた。国会前には、中・高校生、学生や子ども連れのママたちの姿、年代を超え多様な市民が日に日に増え、日本のいたるところで反対の声が上がっていった。また最高裁元長官、内閣法制局元長官、大勢の憲法学者など専門家集団の声明は大きい力になり反対の輪を広げた。
しかし、これだけの民意を無視し、法案は成立した。 

安保関連法は、その中身と成立過程において、立憲主義に反し、日本国憲法の三原則である平和主義、国民主権に反し、議会制民主主義での議論を無視したものとして、歴史に汚点を残すものとなった。

だが、その中で、民主主義を自分たちの手でつかみ取ろうとする多くの人々が顕在化したことに、希望が見えた。若者がマイクを握り自らの言葉で語る姿に、多くの人々が希望を見い出した。デモへ参加し、自分の頭で考え、自らの言葉で発する行為が、憲法を血肉化する行為であるということを体験した。

若者たちのシュプレヒコール「憲法読めない総理はいらない」「国民なめんな」「勝手に決めるな」に、多くの市民が共感し、ともに国会に向け叫んだ。主権は安倍総理にあるんじゃない、国民にあるんだという叫びだ。 

市民は見てきた。
安保法案は違憲、反対という民意を無視し、数の力で強行に決めた安倍政権の横暴を。

 市民は忘れない。
民主主義を歪め、立憲主義を壊した国会議員を。

法律は成立したが、成立後の各種世論調査(※)でも、多くの国民が疑問や反対を意思表示している。

これからはこの戦争法を使わせない運動、集団的自衛権行使容認を白紙に戻す運動が始まる。

私たちはこれからも、主権者として憲法を生活の中に根づかせ、民主政治を築き上げる活動をおおぜいの市民とすすめていきたい。

 2015921日    西東京・生活者ネットワーク

朝日新聞9/19,20調査
 安保法 反対51%、賛成30
 国会での議論が尽くされていない 75

 毎日新聞9/19,20調査
 法案成立 評価しない57% 評価する33
 強行採決は問題 65
 憲法違反 60
 国民への説明不十分 78

 読売新聞9/19,20調査
 法案成立 評価しない58% 評価する31
 十分に説明していない82% 十分に説明した12