剪定枝の堆肥化プラントを開発した若者に希望を見い出す

今日は西東京市の剪定枝を堆肥にしている(株)エコリサイクルセンター(茨城県小川町)を見学しました。ネットではかねてより家庭からでる庭木等の剪定枝を燃やさず、堆肥にするよう提案をしてきたところ、ようやく今年8月から2つのモデル地区で市による回収がはじまったところです。将来的には全域の回収をめざしているということですが、実際にどのような行程で堆肥になって、農家で使用されているのか確かめる機会を得ました。市が回収した剪定枝は、一旦市内の造園業者の持ち込まれ粗く砕いたのち、はるばる茨城のセンターまで輸送され、そこでさらに細かく破砕し、食品工場からだされる汚泥を混ぜ込んで発酵を促進させる方式です。できた堆肥は地元小川町の農家を対象に、センター職員が営農指導をしながら販路を拡大し、農家のリクエストに応じて成分調整もしているということでした。

モデル地域のみなさんとともに同行したのは市の担当職員と市内の造園業の御曹子。この若者が、仕事柄発生する剪定枝等を産業廃棄物にせずリサイクルしたいという思いから、茨城市の産業廃棄物運搬業者との共同事業としてはじめたのが今日たずねたセンターです。彼のパートナーであるセンター職員がこれまた持続可能な農業に情熱を注いでいる若者で、自分達がつくる堆肥が、日本で生産される堆肥の中で最もグレードが高いと熱く語る様は、大変たのもしいことでした。ここでできる堆肥を投入してチンゲンサイを栽培している農家にも案内され、プロの評価が高いことを実感することができました。

西東京市の剪定枝が茨城の農家の土づくりにおおいに役立つのはうれしいことですが、できれば持ち込んだ分くらいは西東京に持ち帰りたいと申し出てみたところ、受け入れるだけの農地が西東京にはないということ。また、家庭の生ゴミを堆肥化できないか投げかけてみましたが、これも農家が使えるものにするには油、塩分等が多く課題が多いということです。

ゴミを燃やさない、埋め立てない、ネットが考える循環型社会に一足飛びに近付くことはむずかしいのかもしれませんが、今日出会えた二人の若者のような人達が、きっとこの難題を解決してくれるのではないかと思える一日となりました。