バリアフリーのまちづくりを進めるのが条例の目的ですが、そのことよりもむしろ、宅地開発に関する指導要綱を条例化するということのほうが、市民のあいだでは大きな関心を呼んでいます。
というのも、企業撤退後の大規模宅地開発や大型マンション建設だけでなく、市内各所で見られるマンションの新築・建替えでさえも、事業者と周辺住民との間のトラブルが頻発しているからです。
住民紛争への積極的対応策を
条例では、開発事業者が行わなければならないとされる周辺住民への説明会等の実施時期や対象を具体的に定めており、指導要綱を一歩進めた内容となっているのは評価します。
しかし、トラブルの調停が必要となった場合は、これまでと同じく東京都に対応をお願いすることに変更はありません。
トラブルが頻発している現状を踏まえると、予防にとどまらず解決にも、市が強く踏み込んで欲しいところですが、残念ながら、建築確認事務を行っていない本市としては、組織的に対応が困難との答弁がありました。
開発計画はできるだけ早く
周辺住民に周知を
開発計画が固まってからでは、周辺住民の意向が反映できる余地はほとんどありません。
自分の住んでいる地域の用途地域、すなわち、将来どういう建築物が建つ可能性があるのか、あらかじめ知っておれば、こういったトラブルも「予知」できるわけですが、この用途地域一つとっても、専門用語の羅列で、知識や経験がなければ、読み解けません。開発計画のなるべく早い段階で、周辺住民にわかりやすくお知らせする仕組みが必要です。
市議会議員・保谷なおみ