1.貧困・生活困窮者への支援について 西東京市の実態と今後の対策について
西東京市においても生活保護世帯は、今年度は1カ月平均23世帯の増加、年間の増加率に換算すると15%強と報告され、本議会で提案されている扶助費の補正は4億5千万円。最も身近な自治体も責任をもって、市民の生活を保障し、自立の支援を進めていくことは重要なこと。また、社会的擁護の世代間連鎖や再生産を防ぐ対策も必要です。
・西東京市における生活保護の受給世帯の現状と実態は?
・被保護世帯における子どもへの支援は?
→生活保護世帯1876世帯。10月の保護率は13.58パーミル、昨年同時期の1.99ポイントの増。月平均の相談件数、申請件数とも昨年同時期と比較して約1.5倍。ケースワーカー一人が125世帯を対応。自立支援については、ケースワーカ—が助言指導を行い、臨時職員、精神保健福祉士等と、個別の問題・課題に対し専門的支援をするのに必要な金銭的援助や人的援助を行う自立支援プログラムを活用し効果をあげている。
貧困の連鎖に関しては、高校進学自立支援プログラム、不登校自立支援プログラム等、次世代支援に力をそそいでいる。「自立支援」は単に、職業紹介や仕事につく支援をするということだけでなく、健康、生活技術、親族、近隣との関係など総合的な力な力をつけるような支援が必要であると考えます。そして当事者自らの力と外からの支援が生活する力となり、解決に繋がるという丁寧な働きかけが大切だと考えます
2006年7月に経済協力開発機構(OECD)によって対日経済審査報告2006年版で、日本の子供の貧困率を13.7%と公表され、社会的注目をあびるようになりました。貧困の中にある子どもの問題を、子ども自身を主体としてとらえ、子どもの成長・発達する権利が不利益を被らないよう不登校自立支援プログラム、高校進学自立支援プログラムなどの対策をすすめていることを評価します。子どもに対しても支援者が寄り添い、共に考えた支援をしてほしいと強く望みます。また、ケースワーカ自身が丁寧に対応できる人数の配置、抱え込まないケースワーカーへの支援体制も必要だと考えます。
10月に文教厚生委員会で、今年度生活福祉課に26人職員を増員し、自立支援体制の強化を行った松山市を視察しました。ケースワーカの増員で一人当たりが103から約80世帯になったものの、視察した時には既に一人当たり約120世帯となり、保護率19.41。地域性もあるようですが、その高さにも驚きました。関係機関との強い連携体制があることや、自立支援のプログラムへの対応については、費用効果の説明もお聞きしました。
生活保護に対して緊急対策は必要ですが、社会全体の大きな課題として、国も貧困の実態を把握し、根本的な対策を勧めるべきです。今こそ真剣に貧困と向き合わなければ、セーフティーネットが崩壊してしまいます!
板垣洋子