浜岡原発は70年代に建設された古い1・2号機を中心に耐震性が十分か論争が続いています。中部電力は20年以上前の揺れの予測に基づき安全宣言を出していますが、「ゆれが過小であり、検証のやり直しをすべき」との指摘が専門家から相次いでいました。国の原子力安全保安院の委託で研究を進めている独立行政法人・原子力安全基盤機構が今年11月に発表したところによると、今後40年間で「原子炉損傷事故」の起きる確率が2%程度に達する原発が存在することがわかりました。この数字は国際原子力機関(IAEA)が推奨する基準を満たしていないということです。この原発がいったいどこのことなのか、報告書には記載されていないということですが、地盤の状況など試算に使われたデータから浜岡原発である可能性が高いということ。やっぱりそうでした。
西東京市議会は、昨年「浜岡原発の稼動停止を求める意見書の提出を求める陳情」を係争中の案件であるから、司法の独立権を侵すとして退けた後、それならと市民が出した「国の中央防災会議に浜岡原発の専門部会の設置を求める陳情」は今年9月に自民、公明、民主,市民クラブの反対で不採択に。12月には三たび市民から出されていた「放射能災害への対策計画をたてることを求める陳情」も、自民、公明、民主、市民クラブ、市民派の反対で不採択にしてしまいました。
浜岡原発は国が設置許可をした時点では、東海地震の発生機構が不明であったため、震源域の真上と想定されなかったのであって、現在であれば建設は許可されない場所にある原発です。30年以内に84%の確率で起こるとされる東海地震に、寿命の近付いている浜岡原発が耐えられるのか、市民が不安を抱くのは当然のことでしょう。
24時間前後で浜岡の放射能は東京に達するといわれています。「我々は自然をまだそれほどよく理解していない」とする地震の専門家のならす警鐘を重く受け止めなければなりません。浜岡原発は即刻稼動停止を。