与野党政治からの脱却への道は遠し

ようやく代表者会議が開催

7日に流会になってしまった各派代表者会議が15日に仕切り直して開催されました。議題は臨時議会の開催。
今回の臨時議会は議会人事のための議会なので、議会の招集権のある市長に議会から召集要請する手続きが必要になります。
2月17日までは保谷広範氏が市長なので、それまでに召集要請をするのは不自然ということで、18日に新市長に要請をすることでまずは合意。次に検討されたのは3月議会の日程に影響の出ないよう、臨時議会(議長など議会人事を決めるための)開催の時期をどうするかということ。
規定では召集の告示期間を7日としているため早くても25日が初日となります。ただし、急を要する案件であればこの限りでないとの規定もあるため、中山議長は全会派で一致すれば、今回の人事案件を急を要するとして、告示期間の短縮を市長に申し出る案を提示されましたが、自民、公明の反対で不調に。
議会事務局が全国市議会議長会の元事務局に問い合わせ、今回のケースは「急を要する案件となる」という解釈を披露しましたが合意には至らず。
確かに、議会人事に係る任期は2年と、条例に定めがあるが、後任が決まらない場合は前任者が引き継ぐとの但し書きがあるので、この解釈に全員が合意しないのはしかたのないことです。
ただし、今回の議会人事は首長交替後の初人事であるから、すんなりとは決まらないでしょう。(旧保谷時代には議会人事をめぐって傷害事件が発生したこともあると聞きます。)しかし予算審査を控えた3月議会への影響はなんとしても避けたい。

協議の過程で、臨時議会の会期中であっても、3月定例会の開催が手続き上可能であることが確認されました。そうであれば、万が一、人事が難航してもその時点で3月議会の日程をこなすことができることになり、市民生活への影響は避けられると判断。

結果、告示期間の短縮は求めず、規定通りの手続きで臨時議会は25日以降の開催とする見通しとなりました。

自民、公明は下野に降りたとして、目一杯野党をやらせてもらうと、手ぐすねを引いている模様。告示期間の短縮についても、与党が事前に頭を下げるのが当然の手続きであるのに、議長(自民西)をよこしただけ、与党としてのお作法も知らぬ、けしからんというのが本音のようです。

坂口氏を支持した政党、団体は首長と議会の関係が、議員内閣制の国政と二元代表制の市政とでは違うことを解説して、この選挙戦を闘ってきました。にもかかわらず、共産党は早くも与党宣言をしています。
市議会に与野党はなく、それぞれの立場で長のチェックをするのが議会の役割ということが、現実の世界ではなかなか理解されません。相手が勝負をもちかけた与野党の土俵にのらず、合意形成の場をつくるのは容易なことでないと実感。
行政職員も、これまでのように、与党にご理解をいただけばなんとかなるという、議会との関係を描いている可能性もあります。

今回の首長交替が、これまでの地方議会の文化を変えていくきっかけになるか、新市長を支持した政党、団体がどれだけ貫けるかにもよりますが、キーパーソンは坂口市長であることはまちがいありません。

ネットは我孫子の市長のように、与党会議を廃し、すべての会派と等距離をおく首長のスタンスを一つの理想型と考えますが、坂口氏がそこまで考えているかどうかは未知数です。

市議会議員・森下のり子