納得できない値上げの根拠
この報酬額値上げ額の根拠は、多摩地域の類似団体とされる8市(八王子、府中、立川、町田、三鷹、調布、小平、日野)との比較で、西東京市が際立って低い報酬であることです。しかし、必ずしも議員の報酬を類似団体の水準に合わせる必要はありません。福祉や教育など他に優先順位の高い税金の使い方があるはずです。
昨年から下水道料金や施設使用料の値上げ、ごみの有料化など市民の負担感が増しています。市内でも所得格差の広がりが感じられ、また市財政も厳しい現状では到底、市民合意は得られません。
市民参加で議会のあり方を考えよう
報酬の見直しは、条例提案の前に、報酬等審議会で話し合われます。しかし、市民のほとんどは、この審議会の開催を知らされていませんでした。
また、この審議会に第三者性が確保できたか、広く市民の意向が反映されたかなど、審議会のあり方にも課題が残ります。
そもそも、審議会を開催する前に、議会のあり方や、議員そのものの役割などについて、議会でのみならず、広く市民参加による議論が必要です。
生活者ネットは、以前より「議員の報酬や定数について市民参加の検討委員会を設置し、議員の役割とそれに見合う報酬や定数について検討し、納税者である、また主権者である市民とともに決めていくしくみ」を提案しています。
条例は可決されてしまいましたが、ネットはこのしくみ作りをこれからも提案していきます。
市議会議員・板垣洋子