青森県六ヵ所村核燃料再処理工場の本格稼働について、海洋汚染や、食の安全確保を求めるために、稼働の中止とその閉鎖を求める請願・陳情が提出されました。9月議会で生活者ネットは賛成しましたが、賛成少数で不採択となりました。
青森県六ヵ所村の核燃料再処理工場は、06年3月から試験稼働され、07年11月から本格稼働予定でしたが、たび重なるトラブルで延期は14回にも及んでいます。
昨年11月の本格稼働を前に、消費団体・産直団体・生協が中心となり、「六ケ所村再処理工場に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク」を発足させました。生活者ネットも賛同団体となり、稼働反対の署名活動を行い、政府や青森県知事に稼働中止を求めてきました。今回の請願に関しても、署名活動に協力をしました。
安全性は予防原則の立場で
不採択の理由の一つが、安全性を危惧するこの請願・陳情の内容には科学的根拠がないということでした。
しかし、生活者ネットは、「※予防原則」の立場から、再処理工場の本格稼働には反対です。
この再処理工場は、全国の原子力発電所で燃やされた使用済み核燃料から、使用可能なプルトニウム・ウランを取り出す処理過程で、大気や海中に「原発1基が1年間で排出する量」の放射能をたった1日で放出すると言われています。このため、近隣地域のみならず、東日本全域が放射能汚染の直接的な恐怖にさらされることになります。
先行して再処理工場を稼働させたイギリス、フランスの工場周辺では、小児白血病が多発し、放射能の人体への健康被害、海洋汚染などが、大きな問題になっています。
また、六ケ所村の地下には活断層があるとの報道があり、この点からも危険性が高いと指摘されています。
再生可能な自然エネルギーへの転換を
子どもたちの未来に安全な社会を渡すことは、私たち大人に課せられた責務です。
リスクの高い原子力に頼るのではなく、太陽光・太陽熱・地熱・風力発電に代表される自然エネルギーへの転換を急がなくてはなりません。
日々の暮らしに欠くことのできないエネルギー問題に対処するためにも、西東京市でもエネルギービジョンを策定する必要があります。
(大友 かく子)
※「予防原則」とは、化学物質や遺伝子組み換え技術など、人の健康や環境に重大かつ不可逆的な影響を及ぼす恐れがある場合、科学的に因果関係が十分証明されない状況でも、生産や使用を規制・禁止すべきだとする考え方。