2007年12月議会で市長や議員などの特別職の給与・報酬額の値上げの改正が採択されて以来、生活者ネットも、その見直しを求められてきました。そして、ようやく今年7月に特別職報酬等審議会が開催され、市長の諮問に対して報酬額について検討が行われました。そして11月、審議会の答申が出され、その答申を受けて市長は12月議会に、その答申通りの内容で、「西東京市議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例」を提案しました。
24日、12月議会の最終日の本会議において、採決が行われ、賛成多数でこの条例を可決、4月からの報酬額が決定しました。私は、今回の条例提案に対して市民の皆様からの意見も聞き、またネットでは全体会を開催し協議しました。そして、この条例に対して課題を指摘し、賛成する結論に至りました。しかし、その判断は本当に簡単には出せることではありませんでした。本会議で、以下の通り生活者ネットとしての見解をまとめ、討論をしました。生活者ネットは市長と政策協定で「特別職の報酬額について、審議会を開催し、特別職の報酬額の見直しを含めた検証をする」ということを約束しました。そして、市長就任後の一般質問でも、特別職報酬等審議会について、開催時期、委員構成、審議会の情報公開性、市民理解について質疑し、市民理解を得られるよう求めてきました。
その結果、市民公募を含めた、市民参加の窓口を広げた特別職報酬等審議会の早期の立ち上げが実施されました。手続き的には、2年前は、市民から見て非常に不透明な進め方だったことからは、一歩前進し、透明性、公開性から見て改善のための努力を認め、賛成とします。
しかし課題も多く残されました。社会情勢、経済状況から見て、市長の判断については、市民の方々の不満は大きくくすぶり続けています。
一つは手続き的には改善されたとは言え、市民公募が2人というのは、10人で構成された審議会委員の全体の20%でしかなかったこと、もっと公募枠を増やしていくことが必要です。景気の回復が進まず、地方財政が厳しくなる中で行政への市民の理解を得るには、市民の参加の窓口を広げ、税金の使い方なども市民とともに考え、決めてゆく仕組みを大胆に進めることが必要です。自治の時代です。大切なことは市民が決めることで、市民の責任意識も向上し、厳しい財政のなかで市民も市政と協働(コラボレーション)する意識が培われます。次回の審議会では公募枠の人数を増やすよう要望します。
もう一つは答申を尊重すると言う市長の姿勢は一定理解するものです。しかし、現在の経済状況、市民の生活状況を見たときに、市民の理解が得られるかということです。特別職報酬等審議会で出された、西東京市独自の指標の考え方を尊重しつつも、より実態に見合った西東京市特別職の報酬額を提案すべきでした。
答申で出された市議会の議員の議員報酬の額並びに市長、副市長、常勤の監査委員及び教育長の給料の額は、現行の月額より、市長は37000円、副市長2000円、教育長13000円、常勤監査4000円、議長8000円、副議長6000円、委員長13000円、議員10000円が減額となりました。期末手当を含む年間額は、3億4173万6千円から3億2745万9300円となり、年間1427万6700円の削減となります。。
市長として市民感情、経済情勢を勘案した上で、市民が納得が行く金額の判断がされなかったことは残念です。
しかし、この報酬審議会開催にあたっては、生活者ネットが提案した市民公募枠を設けたこと。2人という不十分な枠ではありましたが、市民公募枠を設けたこと、公開抽選という開かれた場で公平な選出がされたこと また、傍聴を希望する人が全員傍聴できる配慮がなされ、また、その際、審議会委員と同様の資料が一人一人に用意され、傍聴者が傍聴する際に理解を深めることもできました。しかも、終了後はすみやかに情報公開コーナーに資料を公開し、また、会議録も情報公開コーナーとホームページでの公開もスピーディーに行われ透明性も高められました。
今回の審議会結果を今後に活かすことが求められます。また、特別職の報酬額が経済情勢や市民感情を勘案して適切かどうかの検証は毎年行い、市民と市長の乖離が起こらないよう努力することを提案し本条例に賛成します。