さなぎの食堂 見学

さなぎ食堂のメニュー
さなぎ食堂のメニュー
 先月27日、NPO法人さなぎ達の運営するさなぎの食堂、さなぎの家を見学しました。
さなぎ達は、横浜の寿町(人口の約8割が生活保護をうけているという状況)で、衣 医 食 職 住を柱に、ホームレス、およびホームレスになる恐れのある人たちの「自立自援」を促すことを目的に、メンタル面のサポートを大事に運営しています。「自立自援」を促すというのは、自立を支援するのではなく、当事者の人が自分の意思で変わっていこうとする気持になることを一番大切にし、出来る範囲のサポートを行うという考えです。
さなぎの食堂は、2002年、屋根のある場所で暖かいご飯を食べてもらいたいという趣旨で始まっています。理事で食担当の土谷さんからお話を聞きました。食堂は10時から18時までの営業で、開店と同時にお客さんは来店し1日300食それと配達弁当20食を売り、定食の値段は300円から400円程度。メニューも豊富で評判も良いようです。そして、その食材に注目です!材そのものには問題がなくても、パッケージ上の問題があったり、売り切れない食材を扱う等流通できない余剰食材を使っています。余剰食品を人用に扱うのは初めての試みでコンビニ(ローソン)から1日30~40Kの食材の提供を受けているそうです。横浜市が推進する「横浜型もったいない運動」の取組みのひとつです。
配達弁当は、一般の人にお弁当を購入してもらい、利益の一部をホームレスの人の食事資金に充当するという再配分という考え方で提供しています。
さなぎの家は、誰でも自由に出入りできる憩いの場で365日オープンしています。そしてカウンターの中で彼らを見つめる事務局長の桜井さんがいらっしゃいました。ここは日中安心して過ごせる場所が欲しいという当事者の要望でつくられた「安心な場」です。寿地区住民以外の人たち「ソトブキ」もやってくるそうです。自分を取り戻すための土台作りにもなるのでしょう。西東京市でも2010年1月現在で生活保護世帯は1931世帯。08年から524世帯も増加しています。
貧困世帯へは丁寧なサポート体制と予防的対策、貧困の連鎖への対策の必要ですが、ケースワーカー一人当たりの対応人数は基準の8人を大きく超え、20人以上を対応しているのが実態で、しかもボーダーの方への対策は不十分さを否めません。
さなぎ達の活動を知り、貧困の状況にある人たちへのメンタルサポートなどについて深く考えさせられた見学でした。

(以下はさなぎ食堂の入口の黒板に書かれたメッセージ)
あちらの良いもの こちらの良いもの  純粋な好奇心 繋げて  こちらの悪いこと あちらの悪いことこと  見下すことなく 見つめてしもう  僕らはいつだって 手触りなく容赦なき判断をしてしまう  裏切った 裏切られた 謙虚さ無くした態度  過程にいろんな思いが詰まっているにも関わらず  白黒はっきりさせたがる  とどのつまりは結果主義   たから毎日不安だらけ  青ざめた胸のうち  人となりを見てないのは 自意識過剰 お互いさま  適当な愛みたいな錯覚に つい流されて  たかが寂しいクセに じぶんは優しいだなんて大見栄張らないで  ぶつかり合いを嫌わず 身の丈を見せあおう!  作り事は要らない 抱きかかえた それを吐き出してしまえ  淀んだもの 素直に謝って  ・・・ひとりじゃない 息を合わせて  たとえ誰も居なくても 心より澄んだ感謝を 「ARIGART0」