本当にいじめは防げるのか? 西東京市いじめ防止条例案
8月に、西東京市の「いじめ防止対策推進条例骨子案」がHPで発表されました。
このいじめ防止条例案で、はたして本当に「いじめ」が「防止」できるのか?
そもそも、何を目的につくられる条例なのか?
大きな疑問を抱いています。
条例案への疑問と不満はたくさんありますが、大きな疑問は以下の3点です。
1)学校でのいじめのみを対象としていること(公立小中学校)。
しかも、児童生徒の放課後の居場所となる児童館や学童、地域などとの連携の取り組みは範疇外です。
2)「児童等は、いじめを行ってはならない」との規定がある一方で、「いじめられた子の救済」「権利の回復」については何も定めがない。
3)「重大事態」が起きたときの対応として「調査委員会」の設置を規定しているだけで、肝心の子どもたちに対して何をするかが規定されていない。
この条例案からは、子どもの姿がまったく見えてこないのです。
いじめに悩む子ども、親にとって最も切実なのは、「どこに相談すれば助けてくれるのか」「解決に至る道筋を、だれが一緒に考えてくれるのか」です。そのための支援体制のあり方について、なぜ条例案に盛り込むことができなかったのか。大きな疑問です。
本条例案の根拠法は、平成25年に制定された「いじめ防止対策推進法」です。文科省の要請のもと、教育委員会主導で作られている以上、一定の制約があることは理解しますが、西東京市は他市にさきがけて、子どもの支援に関するさまざまな取り組みも行ってきた自治体。福祉分野と教育分野との連携が、もっとあってしかるべきではないでしょうか。
条例案のパブリックコメントは、8/20(木)~9/17(木)にかけて行われています。http://www.city.nishitokyo.lg.jp/pub/bosyu/ijime_boushi.html
関心のある方はぜひ条例案を読んで、市までご意見をお寄せください。
報告:市議会議員 かとう涼子