「市部版玉川上水を歩く」

 

雑木林の様子

 

ここから再生水を流している

 

こぶしの実

 

このあたりは関東ローム層を堀ったあとが露出

どんぐりがいっぱい!
西武拝島線玉川上水駅から、西武国分寺線鷹の台駅までおよそ4kmの道のりを3時間かけて歩く。玉川上水の両岸には雑木林が続き、その中に幅2メートル前後の遊歩道がある。足元はどんぐりだらけ、どんぐりを踏みながら歩く。

講師の自然観察指導員東京連絡会の小口さんの説明によると、野山、身近な公園などで見られるどんぐりの種類はおよそ10種類。そのうち、見本にもらったどんぐりは落葉樹のクヌギ、コナラ、常緑樹のマテバシイ、スダジイ、シラカシ。すぐわかったのはクヌギ。派手な(はかま)丸くて大きいのが特徴。一番多いのはコナラ。でも、大きさはマテバシイと間違えるくらい大きいのからシラカシと同じくらいの小さいのまで様々。シラカシとの違いはコナラのはうろこ模様で、シラカシのは横縞模様。でも、落ちているどんぐりはみんなはずれて区別できない!!              

玉川上水に舟?!
もう一人の講師、玉川上水を守る会の庄司さんの説明によると、現在羽村の堰から小平監視所までの源水は東村山浄水場に運ばれ都民の飲み水になる。小平監視所より下流は昭島市上流下水処理場の再生水を流している。

玉川上水には一時期舟も通っていたことがあった。そのために、新たに新堀用水がつくられた。玉川上水にはここが船着場だった所との説明があった場所が2箇所あった。舟が通るのを見てみたかった!

 木の実の王様はコブシ
お天気に恵まれ、下から見上げる木々の葉は日の光を通して、まるで新緑の頃のような輝きがある。クヌギやコナラ、ケヤキやイヌシデ、栗やもみじなどなどなど、とても覚えきれない!この季節楽しいのは、どんぐり以外にもたくさんの木の実が見られること。

ゴンズイ、マユミ、ニシキギやツリバナ、中でも特にかわいかったのはコブシの実。小さなとうもろこしのような形で、中に赤い実がぎっしり。実を取ろうとすると糸を引いてぶら下がる。林の中で春一番に花が咲くコブシがますます好きになった。

 雑木林の管理責任者は誰?
市民の運動により、玉川上水の貴重な自然を守ることができたことを知った。地域を守る力、社会を変える力が市民にはあるんだということを再認識。

しかし、玉川上水沿いの雑木林の管理が適切に行われているかどうか不安が残る。管理のために木の伐採が行われていたが、どうしてこの木は切るの?と理解できないところもあった。草刈も一気にやるため、残すべき草も刈られてしまう。適切な管理でこれからも、この美しい雑木林、豊かな自然を守り続けてほしい。 

西東京市民の夢
水路復活のためとはいえ、流れているのは下水処理場の再生水が混ざった水。時には微かながら臭いがすることがあるとのこと。

西東京市で毎年水質検査をしている石神井川も、湧水が涸れて、空堀になりかかっている。公園予定地の前後1kmくらいの石神井川でここ数年かけて、コンクリートの3面張りをはがし側面は石垣、川底には川砂、小石を敷き詰める工事を実施。ところどころから湧水が復活、どじょうやカニの姿を見ることもある。今年夏にはカワニナを放流。カワニナの成長が確認されれば、来春には蛍の幼虫を放す予定。

毎月1回、川掃除をしている市民グループもある。もっともっとたくさんの場所で、味気ないコンクリートの3面張りをはがしたら、そこかしこで湧水が復活するのではないか。石神井川には雑木林はないけれど、蛍が飛ぶ清流復活が、西東京市民の夢!

報告:清水浩子