働きにくさを抱えた人の就労を地域で支えたい

2015年4月、生活保護に至る前の生活困窮者を救う新たなセーフティーネットとして、「生活困窮者自立支援制度」が施行されました。国もかなり本気を出している大きな制度です。
保谷庁舎の1階に「生活サポート相談窓口」が開設され、経済的な問題など様々な問題を抱えた方の相談を無料で受付けています。

私も期待を込め、全ての定例会で質問してきました。複合的な問題を抱えた人をワンストップで支援し、就労で自立を促すことになっています。

しかし、困窮している人は過去の生活歴、現在の生活、健康状態や家族の状況など、背景や課題が複雑に絡み合っていて、就労が困難なのが実情です。

そのため準備段階として日常生活の自立や社会参加として働く「中間的就労」があります。
働くことが「稼ぐこと」ではなく、「必要とされること」だと捉えなおし、自分たちが暮らす「ちいき」でその場所を作り、実践したいと日々考えています。

そんな中、1月26日に、西東京・生活クラブ運動グループ地域協議会主催の学習会「生活困窮者の就労支援はどうあるべきか」に参加しました。

講師は、NPO法人ワーカーズ・コレクティブ協会専務理事の岡田百合子さん。2004年に「利益優先の市場経済社会の中で非営利市民事業で大勢の市民の参加で新しい公共の実現」を掲げ設立した協会です。
この10年で、知的障がい者の職場体験、無業・失業中の若者へのジョブトレーニングなど地道に就労支援の実績を積み、2015年4月、横浜市から就労準備支援事業を委託されるまでになりました。
事業を通して見えたことは、就労支援が必要な人には、生活支援も必要だということ。地域や家族との関係が持てていない人へ見守りやサポート、健康面のケア、何が得意か自分でもわからないといった人への寄り添いなど、行政サービスでは対応できないことばかりです。

みなさん、こういった生きにくさを抱えた人の存在を理解し、気にかけてください。
市内事業者の方には、「仕事の切り出し」をお願いします。定期的にでる仕事・反復する仕事・内容が一定の仕事などで就労の実習にご協力いただけませんか。

まだまだ夢の段階ですが、地域市民の「たすけあい」の力で、生活支援を受けた人が働くことが、必ず地域の力になります。「共に働く・暮らす」を目指して、これからも市民へ、行政へと働きかけて参ります。

報告:市議会議員・後藤ゆう子