選挙の1票は、白紙委任票ではない~今日から始める民主主義の歩み~2017総選挙を終えて

635億円かけた衆議院選挙が終わった。
結果は、自民党の圧勝である。
過去2回の選挙において、自民党支持が増えたわけでもないのに、小選挙区制の選挙制度によって、自民党一強政治が始まり、憲法に基づいて政治を行うという立憲主義がないがしろにされ、平和主義と民主主義が壊されていった。
今回の自民党圧勝により、「戦争をしない」と国際社会に宣言した憲法が壊されるという危機に、私たちは直面している。

今回の選挙で、西東京・生活者ネットワークは、立憲主義を回復するために設立された立憲民主党とその候補者・末松義規さんを応援してたたかった。
憲法9条を守る、原発を0にする、格差をなくす、多様な人たちが生きやすい社会をつくる、といった政策や理念に共鳴したからである。

しかし、市民が立憲民主党に魅力を感じたのは、それだけではなかったと思う。
このままでは、立憲主義をないがしろにした独裁政治がますます進められてしまう、というあせりや閉塞感。
「なんか変だよね」という素朴な怒り、憤り。
・・・どこにぶつければよいのか、と受け皿を求める大勢の市民。
その多くの「市民の声が、立憲民主党をつくった」と語る枝野代表は、「立憲民主党はあなたです」と言い切り、「一緒にたたかいましょう」と呼び掛けた。

選挙戦最終日。新宿南口での立憲民主党の遊説に集まった市民。中央でマイクを持つ枝野代表

また、「私は反省しています。どれだけ草の根の声から離れていたか。おかしいと思う人たちに応える立憲民主党でありたい。選挙はお願いしますなのかもしれない。でもそれは政治家の勘違いであったことに気づきました。選挙の主役は、民主主義の主役は候補者や政党ではありません。みなさん一人一人が選挙の主役です。民主主義の主役です。一緒にたたかいましょう。選挙運動は今日で終わります。しかし、国民のみなさんの民主主義は明日から始まりです。そんな思いにさせてくれたのは、国民のみなさんのおかげです。これからの民主主義の社会をつくるためにあなたの力が必要です。」と選挙戦最終日に、新宿南口を埋め尽くす市民に向けて訴えた。

福山哲郎幹事長は、「投票したら終わりじゃありません。白紙委任しないでください。市民のみなさんで議員を監視してください。チェックしてください」と言った。お任せ民主主義はやめようと訴えたのだ。

市民の動きが、彼らをしてそう言わしめたのだと思うが、
このような「ことば」を持った代表・幹事長が擁する立憲民主党となったことが、立憲民主党の躍進につながったのである。
生活者ネットが、30年以上前から、
「議員は白紙委任されたわけではない、市民が主役」と訴えてきたことに重なり、
生活者ネットの原点を再確認させてもらった。

今回の選挙では、生活者ネットの出身であり元参議院議員の大河原まさこさんも、北関東ブロックの単独比例で立候補し当選した。
市民の声に耳を傾け、市民とともに歩もうとする国会議員が多く誕生したことを喜びたい。
立憲民主党の国会議員には、何をもって市民に支持されたのかを忘れることなく、民主主義の道を進んでほしい。
そして、その初心を貫いているか否か、常にチェックしていく責任が、市民にはある。

憲法改悪が現実味を帯びてきたことを、憂いてばかりはいられない。
結果にため息をついている暇はない。

選挙で終わりではないのだ。
民主主義の社会をつくるため、一緒にたたかっていきましょう。