西東京市に、子ども条例制定〜18年を振り返る〜
◆東京都に、子どもの権利条例をつくろう
西東京市は、2001年1月に合併するまで田無市と保谷市であり、それぞれに生活者ネットがあった。私が所属していた田無ネットでは、「大人のあなたへ」「子どものあなたへ」と、2種類のチラシを作り、「東京都に『「子どもの権利条例』の制定を求める請願」活動を行なった。当時小学校3年だった次男と幼稚園年長の長女を連れて、署名活動を行なった時もあった。なぜこの署名活動をするのか、「子どものあなたへ」に書いたように「この町に、子どもにとって良い決まりをつくるのよ」と話しをして、署名活動を一緒にした。東京都に提出した署名は14万筆を超えたが、厚生委員会では「保留」とされた。
◆西東京市子どもの権利条例、凍結
2008年に、今度は西東京市に子どもの権利条例をつくろうという動きができた。その当時の市長の公約でもあり、西東京・生活者ネットの公約でもあった、子どもの権利条例の制定。私は作文を書き、公募市民委員となった。丁寧に、子ども達へのヒアリング等を行い、素晴らしい内容の中間答申ができあがった。
ただ当時の市政は、市長支持の会派が少数であり、全国的にも 、「子どもの権利を許してはならない」という反対勢力が台頭してきた時期でもあった。そんな時勢もあり、西東京市では、中間答申は出したものの、残念ながら本答申を上程せずに凍結となった。
◆(仮称)子ども条例、検討始まる
2016年、児童福祉法が改正され、子どもの権利擁護が理念として明記されたことで、子ども条例の制定を検討する、という新たな動きが自民党推薦の現市長のもとに生まれた。条例の名前に「権利」という言葉はないが、内容は、子どもの権利を守るための条例である。
2014年に市内で起きた、継父による虐待で自殺に追い込まれた中学2年男子の事件も、大きかったのかもしれない。
また、子どもの権利を守る活動をしてこられた東洋大学の森田明美教授が、長い間西東京市の子ども子育て審議会の会長であり続けたことも、とても大きなことであった。
◆子ども条例、全会一致で可決
生活者ネットワークが2000年から取り組んだ子ども条例制定への活動は、今年(2018年)9月、18年かけてようやく実を結んだ。過去はどうであれ、子どもへの支援をたっぷり盛り込んだ条例は、議会の全会一致で可決された。
条例には新たに「子どもの貧困の防止」が加わった。ここからも今の子ども達の置かれている状況が決して良くなっていないことがわかる。新しくできたこの条例をもとに、子ども達への実行性のある施策ができ、確実に動いていくことを、まずは見守って行きたい。
前市議会議員・石田ひろこ