市民政治のバトンをつなげて~この緑を守らないと~ 3代目代理人茂木千佳子さん
シリーズ【市民政治のバトンをつなげて】3人目は3代目代理人茂木千佳子さんです。
1,代理人(市議会議員)になったきっかけは?
ーきっかけの前に、それまでの私の生活のことをちょっと話すわね。
ちょうど我が子が生まれた頃、1970年代に琵琶湖の富栄養化による汚染問題が話題になったんだけど、この富栄養化の原因が、家庭で使っている洗濯洗剤(合成洗剤)の有機リンだったの。私はこれを知って、洗濯洗剤を天然油脂素材のものに切り替えたんだけどね、生活クラブがこの洗剤を取り扱ってたのよ。聞いてみると生活クラブはゴミ収集にも取り組んでいる、と(※ゴミ収集活動は初代代理人の坪井さんが始めた活動です)。じゃあ、ってことで生活クラブに加入してね、そこからよね、代理人活動に繋がっていったのは。
その頃はね「署名を集める」とか「みんなで制度を変えていく」っていう動きが”生活レベル”であったのよ。本当に身近だった。
『大勢の私たち』っていうキャッチコピーで「買い物をするだけではない、意識を持って生活すること」「市民目線の政治」をごく自然にやっていたの。近くで坪井さんや美紀さん(2代目代理人鈴木美紀さん)の活動も見てたしね、だから代理人になるのも全く違和感なかったのよね。
それと、その頃、保谷の雑木林がどんどんなくなっていって緑が減ってしまって「これは緑を守らないと」「農地を守らないと」という思いもありました。
2,代理人(市議会議員)時代の思い出は?
ーうふふふ、やりがいはあったわね~~。1990年に初代アースデー実行委員長をやったきっかけで農協(JA)の後援をもらって「保谷野菜倶楽部」を発足したんだけど、そこから農家さんと色々なやり取りが生まれましたよ。私たちが政策提案して実現した案件なんかもあったし、あー頑張ってたなぁって思うわ(笑)。地元の農家さんともつながってね、都内の農家さんの事情や、抱える問題なんかも見えたりしたよ。
3,現在はどんなことをやっていますか?
ー代理人(議員)を卒業した後、2003年に「みどり豊かなまちの地域コミュニティをつくろう」ということで『西東京菜の花エコ・プロジェクト」を立ち上げて、今もその代表をやってます。
4,「代理人(議員)」であったことが自分の人生にどうつながっていますか?
ー代理人(議員)時代にご縁があった方たちとは今でも「信頼関係」があり、その信頼関係や自分自身が経験したことで問題点の「解決方法」が見つかることが多いです。そして、私がやっていることを関心を持って見守ってもらえたり、地域に根付いた活動を理解してもらっているなぁとも思っています。でもね、これは私だけが思ってることではないはず。今までの代理人、全員じゃないかもしれないけれど、大体みんな同じ気持ちなんじゃないかと思うわ。
代理人(議員)はね、活動内容も多いし、やっぱり気力体力ともにハードなのよ。複数でやっているとそれなりに風当たりがキツい時もあるしね。でも、それを経て、自分が地域に戻った時に、自分のやっていることに理解と応援をもらえるというのはとても有難くてやっぱりここでも「やりがい」があるなと。そう感じています。
キリリとした中にも笑顔が素敵な茂木さん。
茂木さんが農業に携わるようになったきっかけは「保谷の緑を守らないと」という気持ちから。「個人の気持ち」がこんなにもしっかりと体現できている、その茂木さんの行動力に感動しっぱなしの取材時間でした。