品川氏はT13年生まれ、戦地の経験者です。戦争体験から確認したことは、「戦争は人間が起こすものだ」ということ。そして戦争とは、「価値観を全く転倒させるもの」「すべてを動員するもの」「三権分立が成り立たなくなるもの」と、説明されました。また、日本国憲法の草案を読んだ時には、「よくぞここまで書いてくれた」と、驚き歓呼として迎えたそうです。今、九条を守ることは日本だけの問題ではなく、アジアにも影響し、アメリカの世界政策も、世界史をも変えるくらい意味のあること。日本の国民はそういう状況に遭遇していると一言一言を丁寧に話されました。さて、私は今年の夏、広島に帰省し、「(財)放射線影響研究所」と「平和記念資料館」を見学しました
広島・長崎にある放射線影響研究所は、私が大学卒業後に4年勤めたところです。
この研究所では、原爆被爆者の健康に関する追跡調査を継続して行っています。その業績は、放射線安全基準の基盤となる情報源として世界的にも広く認められ、今後も被爆者、被爆2世、3世へ引き続き調査は続けられます。また、その調査研究は、被爆者の協力と善意にささえられており、全人類の福祉に貢献するとともに、被爆者の健康を守ることも目的になっています。
平和記念資料館を見学したのは20年ぶりでした。原爆が投下された62年前の悲惨さ、今なお続く影響を伝えています。また、核拡散条約がありながらも核保有5カ国の核軍縮は進まず、核拡散防止体制が揺らいでいる世界の現状も伝えています。未来永劫に「広島・長崎」が繰り返されることのないよう、平和について、深く考える場となっていると実感しました。平和記念公園の中の原爆死没者慰霊碑には「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」と刻まれています。
品川氏の講演を聞き、この碑の言葉を思い出しました。
私は、世界で唯一原爆を落された国・広島で育ったものとして「9条を変えてはいけない」と改めて強く自分の責務を確認した講演会となりました。
(市議会議員・板垣洋子)