憲法制定権は国民にあり!

投票法をもっと知ろう

 憲法改正のルールを定めた国民投票法が5月18日に公布されました。
 生活者ネットは9条堅持の立場ですが、現憲法下でも、解釈改憲でイラクへの派兵が行なわれ、自民党の一部からも、時々の解釈で運用する方が都合がよいという声すら聞こえてくる現状を前に、従来型の「護憲」だけでは9条を護り得ないことを憂慮しています。
 西東京ネットは、憲法への取り組みを連続して行っており、その一環として9月1日、「国民投票法」の学習会を開催しました。

初の国民投票への課題と問題点
 先の国会での憲法調査特別委員会の公述人を務めた、講師の南部義典さんは、「憲法とは国家権力に歯止めをかけ、乱用を防止することで個人の自由と安全を確保するのが狙いで、国が個人を規制する法律とは違うことをおさえる必要がある」と指摘されました。
 また、今後検討が必要な論点として、「憲法改正案に対する賛成または反対の投票を勧誘する国民投票運動への規制のあり方と公職選挙法との整合性」「公務員法において公務員の政治活動は何が許されないのか」「広告規制は、スポットCMだけが対象でよいのか」など多くの項目が説明されました。

国民一人ひとりの憲法にするために
 投票法の完全施行は3年後ですが、議員総数の2/3以上の賛成による憲法改正の発議のハードルは高く、当分は発案がないと予測されます。
 しかし、発議が行われようと、決めるのは憲法の制定権者である国民です。投票法は、国民が自らの意思で憲法を選び取り、解釈改憲の余地をなくすための道具であり、憲法の三原則の一つである国民主権を体現するための必須アイテムなのかもしれません。
 今後は、投票法の検討課題の議論を注視し、声を上げていくことが大事です。

 今回の学習会には、15歳の中学生の参加がありました。現在の中学生が施行時には有権者となります。子ども達と一緒に考えていくことが大事であると実感しました。
 生活者ネットは、憲法を生活の中に活かしていく活動をこれからも継続していきます。

注:国民投票法の正式名称は「日本国憲法の改正手続に関する法律」
(市民自治部会・金尾敏惠)