水俣に学ぶ  その1

「ほっとはうす」で胎児性水俣患者さんから学ぶ

7月15~17日、東京自治研究センターの企画するまちづくりウオッチング2008水俣に参加し、「水俣」を視察しました。
水俣の海、棚田の残る野山、川べの美しさは本当に素晴らしく、正直、驚くほどでした。そしてこの美しい地に、世界に類例を見ない水俣病事件がもたらしたことを、水俣病資料館、水俣湾埋立地周辺の見学、産業廃棄物処分場反対住民のかたや胎児性水俣病患者さんとの交流を通して深く学べた3日間でした。これまで、私は、「水俣は終わってはいない、忘れてはいけないと、海を追われた漁師さんたちが自分たちが加害者にならないようにと有機栽培した甘夏みかんを20年以上食べ続けてきました。しかし、未だ現実として横たわる水俣病の問題は深く、認識不足による差別や偏見など水俣病の膨大な犠牲を決して無駄にしてはいけない、一時も忘れてはいけないと強く思い知らされました。
「ほっとはうす」でお聞きした胎児性水俣患者さんからのお話には、胸が本当に痛み、言葉が出ないほどでした。世界に類例をみない悲惨な被害をうけ、障がいを持ち、困難な状態にありながらも、差別や偏見のない世界を実現するために前向きにいきている胎児性水俣患者さん。「ほっとはうす」には「きぼう・未来・水俣」の100号のアクリル絵の具の大作があります。過去だけでなく現在も続く患者の苦しみを実感しない限り「希望」「未来」への道は遠い。多くの人に実感をして欲しい!水俣市では、水俣病の経験から「持続可能な社会の構築」を目指し、「環境・健康・福祉を大切にする産業文化都市」を基本理念とする水俣市総合計画に基づき、水俣市環境基本計画を策定し「環境モデル都市づくり」をすすめています。市民総参加で地域循環をすすめ、環境の保全と改善に取り組んでいます。

「水俣のこと」は決してここだけのことではない。身近なこととして足元に目をむけ、そこに暮らすひとも自然も・・いのちあるものすべてを大切にしたまちづくり、それが基本。