「持続可能なまちづくりとは」をテーマに大江さんは、地域の具体例を中心にお話されました。
練馬区の体験農園では、畑のカルチャーセンターから、農園→農縁コミュニティがうまれ、また、コミュニティビジネスとしての体験農園は後継者の確保につながり、また学校給食への野菜提供、農園レストランの経営と多様に広がっているというお話。血縁や血縁とは違う知縁や血縁で新たな人の結びつきができ、そのことが地域で暮らすその人自身へ豊さへと繋がっていると聞き、目の前にその場面が想像でき、気持ちも笑顔になれました。
徳島県の上勝町の話は、これまで資源とみなされなかった南天やもみじの葉等が日本料理の「つまもの」へと価値を得たことで、身近な地域の自然豊かな資源を高齢者が採取・販売し、平均で150万円もの売り上げ を出している高齢者が元気な産業型福祉の実践です。高齢化率47%の町で、寝たきり老人はたったの3人、一人当たりの医療費も減少し、ご高齢の方たちがいきいき働いているというお話。医療費にまで影響しているとは知りませんでしたが、納得です。
愛媛県今治市の話は、学校給食から始まる地産地消政策。今治市食と農のまちづくり条例の制定、食と世界を結ぶ食農教育は、農家を訪問し、環境・平和教育につながり、残飯も大幅に減少。さらにフードマイルから省エネを学び、集大成として広島への修学旅行があるそうです。それを支える職員の意思の強さと継続性があったことにも感動です。いずれも元気な地域には共通点があります。なかでも、地域資源を活かすこと、非血縁・半地縁・地域協働性にもとづき、いま暮らす場所の環境や生業を大切にしていること、人と人との関係性を豊かに発展しているということには素敵なヒントになりました。
大江さんは、「行政・経済・遊び」これら3つがいいつながりを持ってまちをつくっていくかということだと話されました。
引き続きこのゼミに参加し、3つの繋がりをつくるさらなるヒントを得たい!と思っています。
板垣洋子